スタッフインタビュー
養豚場の仕事ってどんなもの?
上原ファームの生産部で活躍する方々に話を聞きました。
動物と触れ合う時間が大好き。
豚の素晴らしさに気が付いてからは
養豚場で働くぞ、と心に決めていました。
高橋洋平さん2011年入社
子どもの頃から動物が好きで
大学では畜産科に進学
豚って素晴らしいな。そう思ったのは大学で畜産業を専攻していたときでした。子どもの頃からよく牧場や動物園に連れて行ってもらって動物と触れ合うのが大好きで大学で畜産科に進学したんです。何がそんなに好きなの?って聞かれるとうまく言えないんですが、とにかく動物と過ごしている時間が楽しくて。在学中に豚の魅力に気が付いてからは卒業したら絶対に養豚場で働きたいと思っていました。
建築部があるから実現できる
人も豚も過ごしやすい豚舎の改革
数ある養豚場の中でも上原ファームを選んだのは、私の故郷である北海道の他、宮崎、鳥取と各地で事業を展開していたから。それに、生産部だけでなく建築部を持っていて豚舎の設計から施工まで一貫してできることに惹かれたからです。たとえば豚舎で働いているとき「この柵がもっと短ければ動きやすいのに」と感じたら建築部に連絡を取ればすぐに動いてくれる。自分が管理している豚舎を、人にとっては働きやすいように豚にとっては過ごしやすいようにカスタマイズしながら環境を変えられるんです。
改善改革にチームで挑む
ゴールに向かう決意とやりがい
そうした改善は個人だけでなく、チームでも常に考えられています。週に一度のミーティングでは目標を達成するためにどんな行動ができるかをメンバーと話し合い、改善改革を重ねています。通常、一頭の母豚から15~20頭の子豚が生まれますが全ての子豚を無事に送り出すまでには病気や成長不良などいくつもの危機を乗り越えなくてはいけません。
1頭でも多く送り出すために
管理者としての使命を担う
交配・分娩での目標は1頭の母豚に対して11頭の子豚を無事に送り出すこと。それは私たち管理者の手にかかっているんです。病気は不衛生な環境から発生しますし、外部から菌を持込むことで病気が蔓延してしまう。だからこそ、徹底すべきは「5S(整理・整頓・清掃・清潔・消毒)」なんです。1頭でも多く、子豚を死なせることなく健康な状態で送り出すこと。それが自分の使命だと思っています。
高橋洋平さんの一日のスケジュール
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- 06:30
- 起床
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- 07:00
- 出勤
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- 08:00
- 朝礼
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- 08:10
- 分娩チェック、豚舎見回り、
餌やり、糞かき、ミルクやり
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- 09:30
- 発情チェック
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- 10:00
- 母豚の離乳
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- 11:00
- 子豚の移動(子豚を集める)、
ヒーター、哺乳期の回収など
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- 12:00
- お昼休み 休憩所にてみんなでお昼ごはん
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- 13:00
- 分娩チェック(分割授乳等)
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- 13:20
- ワクチン打ち
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- 14:20
- 去勢・そうじ等
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- 15:00
- エサやり、水やり
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- 16:00
- AI
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- 16:30
- 見回り
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- 17:00
- 休憩室にて事務作業
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- 18:30
- 帰宅してシャワー
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- 19:00
- 夕食
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- 19:30
- テレビみたりスマホみたり
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- 21:00
- 布団の中でゴロゴロしながら就寝
分娩舎担当廣田さやかさん2019年入社
一番好きなのは朝イチのエサやり
ご飯を待っている愛しい姿
この職場に来て一番びっくりしたのは母豚が想像以上に大きかったことです。農業高校の畜産科を卒業した後に養鶏場で7年間働き、その後、上原ファームの社長に誘っていただいて転職しました。子豚は勤務初日に抱っこしていましたが、母豚に慣れるには一週間かかりました。大きな豚が近づいてくると、「こっち来ないで~!」って(笑)。一番好きな時間は朝イチのエサやりですね。お腹が減って「ご飯ちょうだい!」と叫んでいる豚の声を聞くと「今あげるから待っててね~」って気持ちになります。ご飯を欲しがっている表情も好きで「やっぱり可愛いな」って思うんです。
「可愛がる」だけではない
直面するのは生命の営み
豚舎の清掃やエサやり、子豚にミルクをあげたり生まれた子豚の様子を見たりとお世話をするのが主な仕事ですが分娩舎での仕事は「可愛がる」だけではありません。小さな子豚は体重100キロを超える母豚が気づかないうちに押しつぶしてしまい圧死することもあるし、十分に栄養を取れずに死んでしまう子豚、出産中に母子もろとも命を落としてしまう場合もあります。
命を扱う仕事だからこそ
気が抜けない管理者の任務
高校に通っていたときから、この仕事は命を扱う仕事だというのは分かっていました。だから「悲しい」とは思いません。でも、もしも人間の管理ミスで豚が死んでしまうことがあればかわいそうで仕方がないんです。出産の時間帯は薬である程度コントロールできるので、自分が勤務中に生まれていたら助けられたかもしれない、産道で詰まっている子豚を引っ張り出せたかもしれない。生き物が相手なので、必ずしも100%はありません。でも、豚舎を清潔にしていれば病気だって防げるし、病原菌だって持込まないように人間が殺菌を徹底していれば良い。管理者としてもっとできることはないか、改善できることはないかといつも自問自答しています。
喧嘩もすれば助け合いもする
チームで動ける感謝と喜び
上原ファームでは合計1000頭が過ごす豚舎を数名のチームで管理しています。私は喜怒哀楽がはっきりしているから意見がぶつかってメンバーと喧嘩することもたくさんありました。でも、何かトラブルがあればみんながすぐにこの豚舎に駆けつけてくれるし、一緒に解決してくれる。入社から一年弱が過ぎて、今では少しは丸くなりました(笑)。怒っているときは「ブラック廣田」と呼ばれるのでこれからは「ホワイト廣田」になって、働く仲間にも自分から優しさを贈りたいなと思います。
廣田さやかさんの一日のスケジュール
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- 06:40
- 起床
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- 07:00
- 出勤
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- 08:00
- 朝礼
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- 08:10
- 分娩チェック、餌やり、糞かき、ミルクやり
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- 09:10
- 下痢治療
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- 09:30
- 去勢
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- 10:00
- 母豚の離乳
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- 11:00
- 子豚の移動
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- 11:50
- エサやり
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- 12:00
- お昼休み
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- 13:00
- 分娩チェック、ミルク
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- 13:20
- 離乳子豚にワクチン接種
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- 14:20
- 去勢のつづき
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- 15:00
- エサやり
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- 15:30
- 掃除
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- 16:00
- ミルク
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- 16:10
- 分娩チェック
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- 16:40
- 見回り、豚舎の戸締り
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- 17:00
- 仕事終了、終了後休憩室で同僚とおしゃべり
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- 18:00
- 帰宅
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- 19:00
- 夕食
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- 20:00
- アニメをみたり、猫と遊んだり
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- 22:00
- 就寝
北海道からの絵はがきを機に
養豚の世界へ飛び込んだ
農場長田端伸一郎さん2008年入社
北海道からの絵はがきを機に
養豚の世界へ飛び込んだ
実は、他の社員たちのように「養豚場で働きたい」と明確にイメージしたことはなかったんです。日本語教師をしていたときの友人から、北海道の牧場の絵はがきが届いて。それを見て、畜産の仕事も良いなって思ったのがきっかけでした。もともとデスクワークよりも体を動かすことが好きだったので求人票を見て岡山の養豚場に転職しました。そこで4年間、分娩や繁殖に関わる仕事をしていましたが、12年前に上原ファームに転職したんです。
これから発展する期待感
未来へのワクワクを胸に
神戸出身の私がなぜ、はるばる宮崎にある上原ファームで働こうと思ったのかというと、これから発展していきそうな予感がしたからです。社長のメッセージや考えを聞いていると、将来に期待ができるというか、ワクワクするんですよね。前の職場ではマニュアルが細かく決まっていて働きやすい面もあったんですが、自分で考えて変化させる機会には恵まれませんでした。ここでは自分で考え、どんどん変えていける。それが自分にすごく合っていて毎日、楽しく過ごせるんです。振り返ってみると、この業界に入った29歳のときよりも今のほうが体力も気力もパワーアップしている気がしています(笑)。
自分たちで考え、話し合い
「改革している」という手応え
たとえば、月に一度の全体会議では社長がビジョンや思いを語ってくれてその指針に向かってみんなが話し合いを進めていく。会社が変化しているという手応えが感じられるんです。ここで働く人の性格やモチベーションも相乗効果になっているんでしょうね。人は飾りっ気がなくて本音で話せる人ばかり。生産部と建築部、設備の修理チームとも協力体制ができているし、いろんな人がいても目標が一つだから団結力があるんです。
いろんな人が集まれる
土台になってくれる場所
私の仕事は豚の体重を増やし、出荷時期を見極めて送り出すことです。運搬や設備、薬品などあらゆるジャンルの取引先とやり取りをするので、いろんな人と関われることも楽しさの一つですね。上原ファームは一言で表すと「みんなの土台になっている場所」だと思います。性格も職種も、国籍まで違うメンバーが一つにまとまってゴールに向かって歩みを進める。そんな環境で目の前のことにベストを尽くせるのが私にとってのやりがいです。
田端伸一郎さんの一日のスケジュール
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- 06:00
- 起床
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- 08:00
- 朝礼
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- 08:10
- 出荷
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- 09:00
- 豚舎の見回り
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- 10:30
- 飼料の発注
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- 11:00
- 豚舎設備のメンテナンス、修理
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- 12:00
- お昼休み
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- 13:00
- 子豚の受け入れ
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- 13:30
- 豚舎の消毒
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- 14:30
- 出荷豚の選別
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- 15:30
- 豚舎の見回り
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- 16:45
- 出荷した豚の体重の確認 翌日の打ち合わせ
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- 17:00
- 仕事終了
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- 18:30
- 帰宅
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- 19:00
- 夕食。本を読んだり、趣味の合気道をしに行ったり、だらだらYouTubeを見たり。
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- 23:00
- 就寝
この会社はきっと日本一になる。
そんな勢いと空気を感じて
自分ももっと上を目指そうと刺激を受けます。
小山内秀行さん2018年入社
ドラッグストアから養豚へ
何もかもが初めての新しい生活
前職ではドラッグストアに勤めていて、まったく違う業界からの転職でした。初めて目の前にする豚はすごく大きくて、日々の業務でもとまどいや分からないことばかりです。大変だったのは別の豚舎へ移動するとき。うちの豚は素直なほうですが、中には断固として動かない豚もいれば正面から突っ込んでくるのもいる。思い通りにいかなくて途方に暮れることもありました。でも、そんなときはいつも周りの人が助けて来てくれたし、方向転換をするときのコツや接し方などを丁寧に教えてくれたんです。
豚にエサが届かない!?
トラブル時に助けてくれる仲間たち
豚舎での仕事は日々、予期せぬことが起きます。入社してすぐの頃には豚舎で飼料を届ける管が壊れ、このままでは豚にエサが届かないというピンチに陥りました。車で30分ほどの場所にある別の農場に電話をすると、すぐに助けてにきてくださいました。自分たちの業務も忙しいはずなのに車を走らせて駆けつけてくれる。助けに来てくれた方にお礼を伝えたときには「当たり前だよ!」と温かい言葉をかけていただきました。だから、他の農場で何かトラブルがあれば自分もすぐに助けにいきます。
言葉ではないメッセージに気づき
いち早く、対処をしてあげること
私が担当する交配舎では1000頭の豚を6人で管理しています。私たちの重要な仕事は、豚をしっかり見てあげること。ただ、清掃や給餌など決まった業務がたくさんある。観察するための時間を捻出しなくてはいけないんです。こちらが気が付かないことで苦しむのは豚たちです。エサを残したり、触ると熱っぽかったり。豚は話すことができませんが、何かしらサインを発しています。ちょっとした変化でも昨日と違うことに気が付いて、早めに対処をすることが管理者の重要な役目なんです。
近い将来、日本一の養豚企業に
そのために自分ができること
上原ファームに転職して良かったのは、社長に情熱的で常に改善改革を実行していること。新しい取り組みにも積極的で、会社全体がものすごい勢いで変化しているのを感じています。このまま変わり続けていけば、養豚業界のなかでトップになれることは間違いない。そう信じています。入社してからまだ2年弱ですが、私も早く何か力になりたいと思い、毎日30分間勉強することを決めました。帰宅後は養豚の専門雑誌『ピッグジャーナル』を読んで新しい知識を身に付けています。ときどき、読んでいる途中で寝てしまうんですけどね(笑)。
小山内秀行さんの一日のスケジュール
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- 05:30
- 起床
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- 07:10
- 出勤
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- 08:00
- 朝礼
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- 08:15
- エサやり見回り
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- 09:00
- AI(人口受精)交配
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- 10:30
- 採取清液希釈作業
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- 11:30
- 糞尿処理
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- 12:00
- 昼休み
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- 13:00
- エサやり見回り
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- 13:30
- 妊娠鑑定
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- 13:40
- 母豚移動(交配舎から受胎舎)
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- 14:00
- 育成豚採取訓練
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- 17:00
- 仕事終了
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- 18:30
- 帰宅
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- 19:00
- 夕食
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- 19:30
- 本日の出来事の確認
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- 20:30
- 養豚に関する勉強などの自己研鑽
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- 22:00
- 就寝