ABOUT US 生産部門

生き物相手だからこそ、成果の喜びも大きい

私たちの使命は安全な豚肉を消費者へ届け続けること。
今日の体調はどうか、ストレスはないか、豚を丁寧に観察することは愛情の証です。

SERVICE OF UEHARA FARM 01.繁殖部門

命の誕生に立ち会う感動と喜び。
助産師と母になった気分です。

交配 誕生
3ヶ月前〜
繊細な"発情サイン"を
見逃さない。

 繁殖部門の仕事は大きく分けて交配と出産の2つ。育種農場から送られてきた母豚(ぼとん)はまず育成舎で一定期間を過ごし、農場の常在菌にも慣れて「準備OK」となったら、交配舎に移送。ここから繁殖部門の仕事が本格的にスタートします。

 交配舎では「背中を触ると耳としっぽをピンと立てる」「近づくとお尻のほうからすり寄ってくる」など、発情サインを確実にキャッチすることが重要です。交配は本交配とAI(人工授精)を組み合わせ、受胎率や出産一回あたりの頭数を向上するための研究も進めています。

受胎 誕生
2ヶ月前〜
気持ちも体も
母豚に寄り添って。

 交配後5週間を目途に、超音波の画像診断装置を使って妊娠しているかどうかをチェック。めでたく妊娠を確認できた母豚は受胎舎に移されます。妊娠確認後は出産を待つばかり…と気を抜くのは禁物です。

 お腹が大きくなると母豚はだんだん横になって過ごすことが多くなりますが、お腹が張って辛そうなときも。そんなときにお腹を撫でてあげられるのも 母豚の変化に気づけばこそ。最初から最後まで、豚をしっかり観察することがいちばん重要なのです。

分娩 誕生
生後4週間後
我が子のように
愛情を注いで。

 豚は畜産界きっての"多産系"。出産回数は母豚1頭あたり年間平均2.3回、1回で12~15頭が生まれます。生まれたばかりの子豚は体長30センチの手のひらサイズ。小さな体で心臓をバクバクさせる元気な脈動を体感するたびに感動をおぼえます。

 豚は誕生後、約4週間の授乳期を分娩舎で過ごします。鉄分補給のために鉄剤を注射し、子豚どうしのケンカで傷つかないように牙をカット。生後3週間目は抗体が下がり、下痢や白痢になりやすいので特に注意が必要。やがて、つるんとしていた体に白い毛が生えそろい元気に動き回るように。愛情を込めてお世話をするうちに4週間はあっという間に過ぎていきます。

SERVICE OF UEHARA FARM 02.離乳部門

ヒトで言うなら成長期であり思春期。
大切な時期だからしっかり向き合いたい。

第一期 生後4週〜
6週前後
デリケートな仔豚を
ストレスから守る。

 親元を離れた仔豚は離乳舎で13週まで育てます。親離れ、新しい環境、乳から飼料へ餌が変わるストレス…ただでさえデリケートな豚にとってこの時期はストレスが多く、病気になりやすいのです。法定伝染病の予防注射などはもちろん、豚の様子をしっかりと観察して迅速な対策を打てるように先手先手で準備をしておきます。

 豚はとても怖がりなくせに好奇心旺盛。知らない人間が豚舎に入ってきたらクモの子を散らすように逃げ回りますが、少し時間がたつと一斉に近寄って鼻を近づけてきます。そこに指を差し出すと、もにゅもにゅと生噛みしてきて、かわいさもひとしおです。

第二期 生後6週〜
10週前後
細やかな観察眼で
健康チェック。

 日々すくすくと成長する子豚たち。元気いっぱいに見えますが、まだまだ抵抗力が十分ではありません。毎日の健康チェックには細心の注意を払います。なんとなく毛ヅヤが悪い、お尻が汚れていたりするのは体調を崩しているサイン。毎週訪れる獣医さんに相談することもありますし、緊急の際は連絡してイレギュラー出動をお願いすることも。

 ウィルス性疾患に集団感染しているケースも想定して、神経質なくらいきめ細かく気を配ります。仮に何らかの感染が考えられる場合も、1頭だけなのか集団なのか見極めるのがなかなか難しく経験と知識が求められます。

第三期 生後10週〜
13週前後
技術をフル活用した、
快適な環境づくり。

 上原ファームグループの豚舎では、冬はヒーターで温度管理をし、夏はスプリンクラーをまわして爽やかな環境に整えています。温度管理はインバーターで自動化されていますが、微妙な設定は人間の感覚で調整する必要があります。

 飼育方法や設備の改善点を見つけるのも重要な仕事。給餌装置から水飲み容器まで、現場でアイデアを出し、研究部門で金型段階から製品化したものが豚舎のあちらこちらで活用されています。豚はもともとキレイ好きな生き物です。糞尿の処理、豚舎内の清掃も徹底し、豚への気遣いを絶やさないようにしています。

SERVICE OF UEHARA FARM 03.肥育部門

旅立ちの時。無事に育て上げた
我が子を見送る誇らしさ。

第一期 生後13週〜
17週前後
みんな等しく、大きくなーれ!

 肥育部門は肉豚生産のアンカー。生後13週、体重40キロ前後の段階から、出荷する110~120キロになるまで育てます。育ち方に個体差が出るので、移送されてきたらまずサイズによってグループを分けて、グループ単位で肥育をします。

 グループ内では強いものがリーダーになる半面、引っ込み思案で餌を食いっぱぐれてしまう豚も出てきます。丁寧に観察し、食が不足している豚がいないかどうかに注意しながら、まんべんなく育つように配慮するのも大切です。

第二期 生後17週〜
22週前後
病気の“サイン”を
察知する。

 この時期、いちばん気をつけなければならないのが肺炎です。死亡率が非常に高く、蔓延しやすいので是非とも未然に防ぐ必要があります。

 日頃から温度管理を徹底し、換気をこまめに行うなどの対処を心がけ、豚の健康状態にも細心の注意を払います。食が細ったり、腹が膨れていたりしていたら危険な兆候。すぐさま対処し、適切な対応をします。

第三期 生後23週〜
27週前後
最後の“ヤマ場”を
乗り越えて。

 元気に育て、市場に送り出す“豚の門出”。その前に最後のヤマ場が待っています。仕上げの餌への切り替えです。病気予防に主眼を置いて配合された飼料から肉質を仕上げるための飼料に替えるのです。

 ここで難しいのは切り替えるタイミング。ヒトと同様に豚も一頭一頭、成長スピードが違うので切り替え時を間違えると、病気になったり体調を崩したりと不足の事態になりかねません。門出を見送る瞬間まで気を抜けないのが、この仕事。だからこそ、無事に育て上げたときの喜びも大きいのです。